世界最速のインディアン
アンソニー・ホプキンスの出ている映画を探していたらこの映画が目に止まった。
タイトルだけ見るとネイティブ・アメリカンの映画かと思ったが、インディアンというのはオートバイの名称だった。
20代の頃に買ったオートバイで世界最速になることを夢見て40年、自宅の小屋で改造にはげむ63歳の男、バート・マンロー。
世界最速記録に挑戦するために、地上最速を競うイベント「ボンネビル・スピードウィーク」が開かれるアメリカユタ州のボンヌビル・ソルトフラッツへ旅をする。
ニュージーランドの南端に位置する田舎町インバーカーキルから遠く離れたアメリカのボンヌビル・ソルトフラッツへの旅の途中、様々な困難を乗り越え、いろんな人の協力を得てとうとう夢を実現してしまう。
そんな物語。
脱帽、何も言えない
「難しいなら、より懸命に取り組む。不可能なら、さらに懸命に取り組む。どんなことでも試し、それでもそれをやり遂げるのだ」
バート・マンローが残した言葉。
63歳で夢を実現するなんてことされると、ほんと何の言い訳もできなくなる。
人が応援したくなるキャラ
マンローは破天荒ではた迷惑なところもあるんだけれど、なぜかみんな応援してしまう。
映画を見ている自分自身も応援してしまった。
夢に一生懸命で純粋なマンローだからみんな応援するんだろうけれど、何か憎めない性格は天性のものだと思う。
うらやましいというか憧れる。
60年代のレトロ感がいい
時代が60年代ということもあり、バイクの改造もとてもアナログで、思いつくアイデアもとてもアナログ。
油まみれという形容がぴったりで、五感で感じながら作業をしていく感じはあの頃を思い出させてくれる。
実感があるというのか、やはり手作業というのは人間を幸せにしてくれると思う。
改造しているバイク、作業の途中手を休めて脇のイスに腰掛けてコーヒーを飲む。
こんなシーンもとても良かった。
何をして生きるのか
あと少しで定年退職、65からの年金受給までどうやって行こうか、早めに年金をもらおうか、
そもそも自分の場合65歳まで働かなければいけなくなるんじゃないか、現実的にはいろいろ考える。
余裕しゃくしゃくでない自分はほんと頭が痛い問題だ。
生きるためにどうするのかも切実な問題だけれども、何のために生きるのか、自分の人生をどう使うのか、とても大切だとこの映画を見て思った。
若い頃は人生の長さなんて考えもしなかったけれど、人生の半分を生きた今、残りの人生で何をするのか、投げかけられた思いがした。